社員インタビュー Vol.06

第6弾は、フリーランス歴9年目。
他業界でも活躍されてきたキャリアを持つ阿部さんにお話を聞きました!

まずは、阿部さんの経歴について教えてください。

現在35歳です。20歳で社会人になり、そこから6年間はベンチャー企業に就職。正社員としてSEのキャリアを積み、27歳で独立しました。フリーランスとして今年で9年目を迎えます。デザインとは2年ほどの付き合いになります。

正社員からフリーランスになる道を選んだ理由は?

包み隠さずお話しすると、ずばり「収入面」ですね。自分の実力を自由に発揮するなら、多少のリスクを取ってでもフリーランスの道を選ぼうと覚悟を決めました。正社員だと、どうしても仕事の幅が制限されますし、強制感を感じることもあります。私自身、その強制感に窮屈さを感じていたので、フリーランスの道を選びました。

フリーランスのメリットは3つあります。

1つ目は「時間の自由」。働く時間は基本的には変わりませんが、案件内容を自分で選べるのは大きなメリットだと感じています。自分で判断しなくてはいけない部分は当然出てきますが、スムーズに仕事に取り組めるようになりました。

2つ目は「収入面」です。個人事業主として税金の手続きが発生する手間はありますが、それでも収入の幅が広がった点には大きなメリットを感じています。

3つ目は「場所の自由」。正社員時代は「○○の地方に行って」など、強制感の伴う出張が多かったのですが、エリアや環境が選べる点も私にとっては大きな魅力です。

デメリットとしては、やはり案件が途絶える不安はつきまといますね。当然、働いていない期間に収入が得られないのは事実ですから、最低保証のない点はデメリットといえるかもしれません。

リアルな情報ですね!フリーランスに向き・不向きはあると思いますか?

時間や約束を守らない人は適さないと思います。個人の主観ですが、信頼を築く上で最も重要なのは「時間」だと私は考えています。

というのも、仕事で困った時に相談する方から、23歳の時に一つの教えを受けたことがあるのです。「1分の遅刻や1秒の遅れは、相手の命(=時間)を奪っているのと同じこと」その言葉は今も私の中に深く刻まれています。影響力のあるその方から言われた言葉だったからかもしれませんが、「確かにそうだな」と思って以来、時間や期日厳守を心がけています。もしも遅れる場合は必ず連絡を入れますし、基本的には“相手よりも先に準備や物事を進める”という感覚を大切にしてきました。

フリーランスとしてエージェントが選べる中、デザインと契約している理由は?

デザインは友人の紹介でご縁をいただきました。「もっと単価の高い他の会社に行く」という選択もできるでしょうが、そういった行動はいずれ仕事をなくす結果につながると考えています。

それよりもご縁のある人間関係をしっかりと築き、丁寧な仕事をすることで、会社側にもメリットを感じてもらうことができれば、付き合い先は一つずつ増えていくと考えています。

最近では自由さに魅力を感じてフリーランスになる人も増えていますが、案件をドライに選ぶ人が多い印象です。たしかにドライな視点も必要ですが、私はある意味ウェットな部分、特に人間関係の構築やコミュニケーションは非常に大切だと考えています。

人間関係やコミュニケーションが大切だと気づいたきっかけがあれば教えてください。

本来の性格もありますが、これまでに経験してきた多くの失敗や痛い目に遭った出来事が大きく影響しています。

実は20代の頃に、副業でイベントを企画運営していた時期があります。当時は小規模のものから大規模なイベントまで抱えていましたが、「百人規模のイベントで半数がキャンセル発生」という苦い経験をしたことがありました。実際の大きな損失や辛い体験は、人生の教訓として今の自分に活かされています。

近年は特に人となりが評価される時代と言われています。フリーランスとして自由に選ぶことができる一方で、自分自身も選ばれる存在になることが大切ですよね。

フリーランスが、社会から求められるスキルは何だと思いますか?

商売の観点から見ると、サービス業であろうが技術の世界であろうが、求められる要素は変わらないと気づきます。よくある話ですが、種を播かなければ、花は咲かない。どれだけ素晴らしい人間であっても、初対面の相手には自己アピールをしなければ、その良さは当然伝わりません。

IT業界はある意味“せまい世界”です。特にエンジニアの仕事は、大阪でも一部のエリアに限られる。となると、その世界で何かしらの繋がりは必然的に生まれてきます。初めは一時的な仕事の関係かもしれませんが、どこかのタイミングで自分に対する評価や印象が広がっていく可能性がある――。そういう考えのもと、人との関わり方や仕事への取り組み方には常に意識を向けています。

その視点は、過去のイベンター経験が影響しているのでしょうか?

そうですね、営業に近い感覚が身についているのかもしれません。どの分野で差をつけて評価されるか、自己理解をすることは重要なスキルだと思います。

あとは、「誰でもできる仕事を嫌がらずに、喜んで誰よりもやること」。どの業界でも、初めは基本的な業務からのスタートがほとんどです。営業であればテレアポ、SEであれば手間のかかるテスト作業など、こうした仕事を嫌な顔一せずに喜んで引き受けられるか。

得意でない領域や経験のない分野でも、向上心やチャレンジ精神、好奇心を持って取り組めるか、その姿勢が問われると思います。

少し話が変わります。現在はどういったお仕事をされていますか?

現在は商社の企業で、主にデータ分析を担当しています。言語はほぼ使わず、営業マンが提案に使用する分析データを生成するポジションです。プログラミングからは少し離れた位置にいます。

技術的な側面では、SQLを活用して複雑なデータベースから必要な情報を抽出し、データ管理を行うのが主な仕事です。これらのデータは顧客への提案に活用されたり、顧客の要望に応じてデータ生成されたりすることもある、やや特殊な業務ですね。

それ以前までは、VB(Visual Basic)や.NETを使用した業務に従事していました。これまで10年以上にわたりSEの経験を積んできましたが、現在の職場は技術に加え精神面も大切にしている環境なので、「まずやってみよう。できなければ新たなアプローチを考えて再挑戦しよう」という風土が根付いていて、独特の環境のように感じます。ます。このように、これまでとは異なる環境で仕事ができることも、フリーランスの醍醐味ですよね。楽しみながら取り組んでいます。

阿部さんの今後のビジョンについて、あれば教えてください。

今後もSEとしてのキャリアは継続してくつもりです。自身の強みとなるスキルは大切にしつつ、同時に過去のイベンター経験から生まれたつながりを活かし、サービス業にも取り組んでいきたいと考えています。

実は二年ほど前に飲食店の開業計画も考えていたのですが、コロナ禍や材料高騰の現況を考慮して、計画は一時中断しています。タイミングや状況をみながら、将来的には新たな事業にも挑戦していくつもりです。

応援しています!それでは最後に、今後フリーランスとして活躍したい方に向けて、メッセージがあればお願いします。

近年は景気が好調でエンジニア不足が顕著ですが、「技術一本あればなんとかなる」という考えはもう時代遅れに感じます。今後ローコードやノーコードの開発が増え、時代が変わっていけば、I T業界での生き残りに拍車がかかる時代がやってくるかもしれません。

そんななか、「フリーランス=選べる自由がある」という魅力にばかり目を奪われるのではなく、まずは真剣に仕事に取り組み、成果を出すことを目標にしてみてください。

フリーランスだからといって、自分勝手な姿勢で仕事を進めることは許されませんし、報酬を受け取る以上、誠実に仕事に取り組む姿勢は非常に重要です。自由には責任が伴いますから、まずは貢献できることに着実に取り組みながら、少しずつ理想の働き方を実現していってもらえたらと思います。

最後に、私がフリーランスとして生き残る上で最も大切だと思う要素についてお伝えします。それは、「第一印象について」です。どの業界でも重要視されることではありますが、実は見た目に無頓着な方が多いのではと感じています。

例えば、清潔感があり毎日鍛えている人と、見た目に一切気を使わず体型の大きな人がいたとすると、企業はどちらを選ぶでしょうか?外見磨きは、自己管理を反映します。

フリーランスは自分自身を商品として売り込む立場ですから、ブランディングの一環として清潔さや外見も磨く必要はありますよね。これまで自身の見解を述べましたが、少しでも読んでくださる方の参考になると嬉しいです。